メタバースは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、そしてインターネットが融合して生まれた、参加型のデジタル世界を指します。この新しい世界は、ソーシャルメディア、オンラインゲーム、Eコマースなどの新たな体験ができます。特に、NFTはメタバース内での所有権、アイデンティティ、価値の交換の基盤となっており、この仮想世界における新たな経済システムを支えています。本記事では、メタバースの基本概念と、NFTとの関連性について詳しく解説します。
Facebook社がMeta社に変わったのは知ってますよ。このメタですよね。
メタバースはNFTをどのように活用するか考える上で、必須だと思うので説明したいです。
仮想通貨やブロックチェーンは省人化しか生み出さないと突っ込まれたけど、このメタバースは、新たな世界を生み出すものと思っています。
メタバースの基本
メタバースは、ユーザーがアバターを通じて互いに交流し、仮想空間内で活動できるデジタル環境です。現実世界の物理的制約を超えたこの空間では、ユーザーはゲームをプレイしたり、仮想商品を購入したり、イベントに参加したりすることができます。メタバースは、技術の進化と共に、現実世界と仮想世界の境界を曖昧にしています。
自分がアバターとして、別のキャラクターとして活躍できる、ってことですね。
70歳のおじいちゃんでも、メタバース上は20歳の美少年になれるということですね。美少女にもなれるか。
そうですね。キャラ設定どうするか知りませんが。
NFTとメタバースの関連性
NFTは、メタバース内での独自のデジタル資産の所有権を証明する重要な役割を果たしています。アート作品からバーチャル不動産、独自のファッションアイテムまで、NFTはこれらのアイテムを一意かつ交換不可能なものとして保証します。これにより、メタバース内での取引と所有権の概念が確立され、ユーザーは自分だけの仮想世界を構築できるようになります。
なるほどなるほど、NFTはあくまでネット上のものだけど、同じくネット上で完結するメタバース上では、さらに価値を持つということですね。
そうなんですよ。メタバース上では鑑定書・登記簿になり得るし、それどころかもっと様々な活用ができますね。
メタバースにおけるNFTの利用例
では、実際の具体例を紹介しましょう。
バーチャル不動産
メタバースプラットフォーム上での土地や建物の購入、売却、開発がNFTを通じて行われます。これらのデジタル資産は、ユーザーによる完全な所有権と証明を提供します。
具体例:Decentraland
https://decentraland.org/
Decentralandはイーサリアムブロックチェーンに基づく3D仮想世界です。ユーザーは「LAND」と呼ばれるバーチャルな土地を購入し、その土地上に自分だけの空間を作り出すことができます。バーチャル不動産を所有することで、ユーザーはオンラインのアートギャラリー、ショッピングセンター、ゲーム、社交スペースなど、さまざまな目的で空間をカスタマイズし、開発することが可能です。また、Decentralandのマーケットプレイスを介して、土地やその上に建設された構造物を他のユーザーと売買することもできます。
このように、Decentralandはバーチャル世界における不動産の概念を再定義し、デジタル経済における新たな資産クラスとしての地位を築いています。ユーザーはMANAという独自の仮想通貨を使用して、バーチャル不動産の取引を行うことができ、不動産の価値向上やコミュニティ内での交流の場を提供しています。
デジタルアートギャラリー
アーティストやクリエイターがメタバース内に自分のアート作品を展示し、NFTとして購入者に販売。これにより、デジタルアートの価値を認識し、永続的な所有権を保証します。
具体例:The Sandbox
https://www.sandbox.game/ja/
The Sandboxは、ユーザーが自由にデジタルアセットを作成、所有、売買できる仮想世界です。ユーザーは、自分だけのアート作品やインタラクティブな体験を創造し、それらを「LAND」と呼ばれるバーチャルな土地に展示することが可能です。The Sandbox内でのデジタルアートギャラリーは、アーティストにとって新しい表現の場となり、彼らの作品を世界中の観客に公開する独特の機会を提供しています。また、The Sandboxの経済システムは、アート作品の所有権をNFTとして記録し、ブロックチェーン技術を使用して保護します。
これにより、アーティストは自分の作品の真正性と希少性を保証し、デジタルアートの売買を安全に行うことができます。加えて、The Sandboxプラットフォームは、アーティストが自らのギャラリーをカスタマイズし、観客との対話やアートの販売方法についてもコントロールできるため、創造性と経済的な自立を同時に追求することが可能です。こうした特徴により、The Sandboxはデジタルアートの展示や取引の新しい形を実現し、アーティストとコレクターの間で独自のコミュニティを形成しています。バーチャルながらも、リアルなアートギャラリーと同じくらい、あるいはそれ以上に豊かな文化的な体験を提供する場として注目されています。
ファッションアイテム
仮想衣服やアクセサリーがNFTとして販売され、メタバース内のアバターがこれらを着用して個性を表現します。
具体例:ZEPETO
https://web.zepeto.me/ja
ZEPETOのユーザーは自分のアバターを作成し、豊富なファッションアイテムから選んで個性を表現できます。このプラットフォーム上では、実際のファッションブランドとのコラボレーションが活発に行われており、ユーザーはグッチ、ナイキ、アディダスなどの有名ブランドのアイテムをアバターに着せることが可能です。
ZEPETO内のファッションアイテムは、バーチャル空間における最新トレンドを反映している点が魅力の一つです。ユーザーは自分だけのスタイルを創出することができ、また、他のユーザーがデザインしたオリジナルアイテムを購入することもできます。これにより、ユーザー間でのクリエイティビティの共有や、新たなファッショントレンドの創出が促進されています。
ZEPETOはまた、ファッションアイテムを通じてユーザー同士のコミュニケーションや社会的交流を深める場としても機能しています。特定のファッションアイテムやブランドを共有することで、共通の興味を持つユーザー同士が繋がり、コミュニティを形成することが可能です。バーチャルファッションショーやイベントが定期的に開催され、最新のファッショントレンドやデザイナーの作品をチェックする機会も提供されています。
ゲーム内アイテム
NFTとして提供される限定アイテムやスキンを通じて、ゲーム内でのユニークな体験や特権を享受できます。
具体例:Axie Infinity
https://axieinfinity.com/
Axie Infinityは、イーサリアムブロックチェーン上に構築された革新的なデジタルペットゲームです。このゲーム内でのアイテムはNFT(非代替性トークン)技術を使用しており、プレイヤーは独自のデジタルペット「Axie」を購入、育成、戦わせることができます。各Axieはユニークな遺伝子を持ち、さまざまなスキルや特性を有しているため、戦略的なブリーディングやバトルが鍵となります。
ゲーム内アイテムの観点から見ると、Axie InfinityではAxie以外にも土地や装備品、特別アイテムがNFTとして存在します。これらは「Lunacia」と呼ばれるゲーム内の世界で使用され、プレイヤーはこれらのアイテムを通じて自分の領地を構築したり、Axieを強化したりすることが可能です。土地は特定のリソースや収入源を提供し、装備品はAxieの戦闘能力を向上させることができます。
プレイヤーはこれらのNFTアイテムをゲーム内マーケットプレイスで売買することができ、リアルマネーの価値を持つことから、Axie Infinityは「Play to Earn」という新しいゲームの形態を確立しました。プレイヤーはゲームをプレイすることで実際に収益を得ることが可能であり、特に経済的に恵まれない地域の人々にとって重要な収入源となっています。
Axie Infinityは、単なるゲームを超えたコミュニティと経済システムを持つプラットフォームとして成長し続けています。NFTとブロックチェーン技術を活用することで、デジタルアセットの所有権と透明性を保証し、ユーザーに独特のゲーム体験を提供しています。
バーチャルイベントのチケット
コンサート、展示会、会議などのイベントへの参加券をNFTとして発行。これにより、チケットの真正性と所有権が保証されます。
具体例:NAKED夏祭り2022 世界遺産・二条城 ※2023年は通常チケットでしたので、2022年の例を紹介します。
https://event.naked.works/nijojo/summer/
本イベントは、リアルの二条城で開催する『NAKED夏まつり2022 世界遺産・二条城』と、メタバース二条城で開催するバーチャル盆踊り大会も楽しめる、次世代型リアル×バーチャルイベントです。この度、本イベントでは、通常入場券に加え、NFTアートとイベント入場券がセットになったNFTチケットを数量限定販売いたします。今回、NFTチケットを販売する「Adam byGMO」は、決済方法がイーサリアムなどの暗号資産(暗号通貨)だけでなく、クレジットカード、銀行振込も可能なNFTマーケットプレイス。よって、NFT初心者の方でも、気軽に購入しやすくなっています。
今回、販売するNFTは2種。1つめは、メタバース二条城に設置されるバーチャル行灯に自分の名前を入れられる権利に、リアルの二条城でのイベント入場券が付いてくるNFTチケット。2つめは、1400円という気軽な金額で、本イベントビジュアル画像をNFTアートとして保有ができ、リアルの二条城でのイベント入場券が付いてくるNFTチケット。どちらのチケットもリアルイベントで使用する入場券はNFTチケットを購入後、専用フォームで申請。すると、自分のQRコードが発行され、そのQRコードをイベント入り口で提示することでチケットとして使用できます。
https://naked.co.jp/en/works/14626/
まとめ
メタバースは、デジタルと現実が融合した新たな世界を提供し、そこではNFTが所有権と価値の新しい基準を確立しています。NFTはメタバース内での経済活動を活性化させ、ユーザーに未来のデジタル体験を提供する鍵となっています。この仮想世界とNFTの相互作用は、私たちの社会、経済、そして文化において、新たな可能性を切り開いています。
メタバースが普及すると、NFTは重要なインフラになるんですね。
インフラっていう考え方すら古いかもしれないですね。